日本の小売市場は小規模な店舗が多数存在しているという特徴があり、多くはHiLo戦略を取っている。このような市場の中でチラシは重要な役割を果たすが、その効果に関する研究は国内・海外でも多く蓄積されていない。本研究ではGPSを用いて消費者の位置情報をスマートフォンから取得することで、異なる商圏の80店舗の来店情報を取得した。その結果、自店舗のチラシは来店に正の影響がある一方、競合店舗のチラシは負の影響があることが示唆された。競合店舗のチラシの効果は先行研究では考慮されてこなかった。また、EDLP店舗の顧客と比べて、HiLo店舗の顧客は競合店舗のチラシに反応する傾向があることが明らかとなった。
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