研究課題/領域番号 |
19K20911
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
落合 知帆 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80582022)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | コミュニティ / 住宅再建 / 意思決定 / 避難行動 / 被災経験の伝承 |
研究実績の概要 |
本研究は、災害後の復興期に立ち上がった住民組織に着目し、そのきっかけ、勝堂、役割、変遷と実態を明らかにすることで、災害後の「市民力」が最大限に生かされる災害復興および地域防災の方法を探ることを目的としている。 調査対象は、1)2017年10月、北カリフォルニアのサンタローザ、ナパ、ソノマ地域で連続して発生した大規模火災、および2)1991年10月北カリフォルニアのオークランド、バークレー地域で発生した火災を対象とし、比較分析を行う。 今年度は、コロナ感染症の影響により、現地への渡航が制限され、当初予定していた火災の被災者および被災コミュニティ組織を対象とした聞き取り調査や、現地での被災地の復興過程の視察や情報・資料収集を行う事が全く出来なかった。このため、調査方法をウエブサイトをベースにした情報収集を重視する方向で調整した。 研究目的の1つであるコミュニティ再建に際して個人およびコミュニティが果たす役割については、災害を機に立ち上げられた、または災害支援を実施したNPOやNGOなどの民間組織を選定し、ウエブサイトに掲載された設立趣旨、活動目的や活動報告等を確認し、支援対象、活動内容およびその変化の分析を行った。また、対象の災害とは異なるが、火災をテーマにした書籍を確認することで、人々の置かれた状況や課題点の把握に努めた。 また、行政支援・意思決定の動向に関しては、行政が発行する報告書、ウエブサイト上の掲載物等を確認し、提供されたサービス、その規模、対象地等、具体的には、災害直後の避難場所や短期滞在場所に関する情報や住宅再建に対する支援等を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症の影響により、現地への渡航が制限され、当初予定していた火災の被災者および被災コミュニティ組織を対象とした聞き取り調査や、現地での被災地の復興過程の視察や情報・資料収集を行う事が全く来なかった。 このため、調査方法をウエブサイトをベースにした情報収集を重視する方向で調整を行ったが、収集できる情報・データに限界があり、当初想定していた情報やデータを獲得すること、また人的ネットワークの構築が思うように進んでいない。このため、進捗状況は遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、災害で被災した個人およびコミュニティの復興の過程やその実態を明らかにすることを目的としているため、対面でのインタビューによる生の声を収集し、その取り組みを把握、分析することが非常に重要となる。 一方で、コロナ感染症の影響から、現地への渡航や対面での聞き取りが非常に難しい状況にあることを鑑みて、出版物やウエブサイト情報の分析をさらに進める。また、インターネットを活用した面談等を試みることで、現地の復興状況や個人的な聞き取り調査を可能な限り進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた海外渡航が出来なかったこと、またそれに付随する人件費および物品費の支出も無かったため、使用金額が少なく、多くを繰り越すこととなった。
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