研究課題/領域番号 |
19K20911
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
落合 知帆 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80582022)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コミュニティ / 住民 / 住宅再建 / 意思決定 / 避難行動 / 復興再建 |
研究実績の概要 |
本研究は、災害後の復興期に立ち上がった住民組織に着目し、そのきっかけ、目的、役割や活動の変遷とその実態を明らかにすることで、災害後の市民力が最大限に生かされる災害復興および地域防災の方法を探る事を目的としている。 本調査は、米国北カリフォルニアで近年多発している森林火災を対象とし、さらには1991年オークランド・バークレー地域にて発生した森林および住宅火災との比較分析を行う事を主眼としている。 コロナ禍において、本研究の調査手法として挙げていた聞き取り調査やアンケート調査の実施が難しいため、ウエブサイトに掲載された情報を主な研究対象とした。また、当初、復興期に立ち上がった住民組織に着目していたが、被災前の住民ネットワークや、行政に支援などにも調査対象を広げ、ウエブサイト上の掲載物の確認、新聞等のメディアに基づく情報収集を主に行った。住民への調査はメールやオンラインツールを活用し、被災前のコミュニティとの係わりや人的ネットワークに関する情報収集を行った。 また、1991年の火災後に作られた関連施設・アート作品や、図書館や市立博物館の展示など市内各地に点在する災害の記憶を留める取り組みに関する調査を実施し、その配置や種類をまとめ、考察した。同時にアメリカ社会における長期間を経た災害の記憶の難しさを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響により、現地への渡航が出来ず、当初予定していた被災コミュニティや被災者を対象とした聞き取り調査やアンケート調査、現地での復興過程(住宅や施設の再建)の確認が出来ない状況が続いている。このため、ウエブサイトを中心とした情報収集を行っている。また、住民を対象とした調査では、メールやオンラインツールを活用する工夫をしているが、進捗は思わしくない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、今後増加する可能性が高い大規模森林火災の被災地のコミュニティおよび被災者を研究の対象としており、対面でのインタビューを通じた情報収集や、現地においてその復興過程を記録することが重要となる。しかし、コロナ禍の影響により現地への渡航が難しいことから、調査対象を広げ、メディアやインターネットを活用して情報収集を行っているが、それによって得られる情報は限られている。 今年度は調査地への渡航が可能となる事を願い、短期間で効率的に情報収集を行えるよう準備しつつ、引き続きオンラインツールを活用したインタビューや、書籍・メディア等の情報収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた調査対象地での調査がコロナ禍の影響で難しかった。また、それに関連した渡航費や人件費の支出も無かったため、多くを繰り越すこととなった。
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