研究成果の概要 |
2011年から継続するシリア紛争により,多くの難民が隣国ヨルダンに避難している.またその難民の26%が障害を呈する. 本研究では都市在住シリア難民障害者支援に従事する現地リハビリテーション専門職を対象にカリキュラム開発手法CUDBASを活用した研修を通して,現地リハビリテーション専門職が障害当事者の活動レベルの向上を支援できるよう人材育成を実施した. その結果,現地リハビリテーション専門職は,家庭訪問リハビリテーション提供や義肢装具の提供を難民障害者に提供した. しかし廃用症候群の予防やADLの介入は不足しており,今後作業療法士を含む医療福祉専門職が連携して介入する必要性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シリア紛争は今世紀最大の人道危機と称され,現在もヨルダンに留まらず,多くの国にシリア難民は停留している. またその難民には戦傷や先天性の障害を有する難民が含まれる. しかしながら,難民障害者の現状や支援課題について明らかになっていない. 本研究成果は,社会的に脆弱な立場にあるシリア難民障害者の現状とその有効な支援について検討し,今後の支援方策を検討していく上で社会的な意義がある.
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