研究課題/領域番号 |
18H05722
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京通信大学 |
研究代表者 |
任 賢宰 東京通信大学, 人間福祉学部, 助手 (50827954)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 認知症の人 / 家族介護者 / 介護過程 / 心理的支援 / 小規模多機能型居宅介護 |
研究実績の概要 |
認知症の人の介護は、その症状が持つ特性から家族介護者が心理的に受容し切れず、心理的なバランスが崩れる経験をもする。しかし、家族介護者の心理的支援のあり方に関する研究は遅れており、特に介護過程における心理的側面を含む支援の検討が急がれている。家族介護者の心理的支援について先行研究では、小規模多機能型居宅介護での仕組みが有効としているが、小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的支援の有効性は検証されていない。 そこで本研究は、認知症の人を支える家族介護者への公的支援システムの構築を図るための基礎研究として、①小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の取り組みについて現状を把握することと、②家族介護者の支援について分析的な図式化を図ること、③小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の有効性を検証することを目的としている。 この目的を達成するために、平成30年度は、「①小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の取り組みについて現状を把握」することを試みた。そのために、1)認知症の人を支える家族介護者の支援システムに関する国内外の先行研究について、家族介護者の心理的側面からの支援に着目して文献研究を行い、認知症の人を支える家族介護者への支援は、レスパイトサービスの利用を中心に行われており、未だ政策面、心理的面ともに家族介護者への支援は議論の対象になっていた。 また、認知症の人を支える家族介護の支援に有効とされた、地域密着型サービスの小規模多機能型居宅介護の事業所について、2)認知症の人を支える家族介護者の介護過程における心理的側面を含む支援の取り組みに関する現状の把握を試みた。そのために全国の小規模多機能型居宅介護事業所について、客観的観点による量的調査を行い、現在分析作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、認知症の人を支える家族介護者への公的支援システムの構築を図るための基礎研究として、①小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の取り組みについて現状を把握することと、②家族介護者の支援について分析的な図式化を図ること、③小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の有効性を検証することを目的としている。 当初の計画通り、平成30年度は本研究の目的を達成するために、「①小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の取り組みについて現状を把握」することを試みた。そのために、1)認知症の人を支える家族介護者の支援システムに関する国内外の先行研究について、家族介護者の心理的側面からの支援に着目し、文献研究を行った。 また、認知症の人を支える家族介護の支援に有効とされた、地域密着型サービスの小規模多機能型居宅介護の事業所について、2)認知症の人を支える家族介護者の介護過程における心理的側面を含む支援の取り組みに関する現状の把握を試みた。そのために全国の小規模多機能型居宅介護事業所5,082か所(平成30年10月現在)について客観的観点からの量的調査を行った。令和元年度には、平成30年度に得られた量的データについて分析を行い、学会発表及び論文投稿等の研究成果の発表につなげていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、平成30年度に実施した量的調査の中で、質的研究への協力書に承諾が得られた小規模多機能型居宅介護の事業所について「②家族介護者の支援を分析的な図式化を図る」ことを目的にインタビュー調査を行い、客観的観点から小規模多機能型居宅介護における家族介護者の心理的側面を含む支援の取り組みについて検討する。 その後、①と②における調査の分析結果を踏まえて「③小規模多機能型居宅介護における家族介護者の支援に関する有効性」に対する検証を行い、研究の成果について学会発表及び論文投稿を行う。
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