ある一時点における人々の幸福感が、どのような属性とどのように関連しているかを明らかにしただけでは、幸福感について十分に理解できません。例えば、これまでの研究から結婚という出来事は幸福感を高めることが知られていますが、そのような出来事と結びついた幸福感の変動の多くは一時的なものです。これらに対する例外として、失業状態にある人は男女問わず持続的に幸福感が低い傾向にあることがイギリスやドイツの研究で明らかにされています。この研究では、日本でも海外と同じ傾向が当てはまることを明らかにしました。このことは日本において長期的失業の原因を特定する必要性や失業中の人々への様々なケアの不足を示唆しています。
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