本研究では、国際的な文化財の保護制度が日本国内の文化財保護にいかなる影響を及ぼすのか明らかにした。2006年、2007年に文化庁による世界文化遺産候補の公募に応募された文化資産に着目し、各地域において世界遺産登録運動が継続されていくか、考察した。世界文化遺産候補の公募に応募した文化資産27件を管轄する各自治体を対象に質問紙調査を行い、世界遺産登録運動の継続の有無と文化資産の保存と活用について網羅的に明らかにすることができた。その後の活動は、1. 登録運動を継続的に行う、2.他の国内の認定制度の枠組みに位置づける、3.他の地域と連携する、4.世界遺産登録事業を中止すると4カテゴリーに分類できた。
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