本研究は、学校自己評価が、教師間の協働、ひいては教育実践の改善につながる効果に関する体系的な実証的研究である点に学術的独創性がある。さらに、学校段階や自治体規模ごとに複数の事例を取り上げ、質的調査を通して、目標設定から協働に至る一連のプロセスを、海外の先行研究で指摘されてきた要因を基に検討するが、義務規定となっている学校自己評価の、学校段階や自治体規模に応じた効果的な活用方法についての新たな知見や理解を提供するといった実践的意義もある。本研究が提供する、日本の学校自己評価への教職員参加の実態や効果についての基礎的理解は、東アジア地域において特有の学校評価の在り方の提起に貢献する可能性がある。
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