本研究の目的はEタンデムというオンライン国際交流による言語習得の効果を、インタラクションの特性と個人差に着目して明らかにすることである。2018年に着手したプロジェクトであるが、2019年~2021年まで産休・育休で研究を中断していたことにより大幅な遅れが出てしまった。最終年度の2021-2022年には既存の会話データの分析を行った。具体的には、日本の英語学習者とイギリスの日本語学習者の間で10週間に渡ってビデオ会話ツールを介して行われた国際交流の会話データ約100時間分を文字起こしし、task engagementとフォーカス・オン・フォームの枠組みを用いて量的分析した。また、マルチモダル談話分析の枠組みを用いて質的分析を行った。今後は会話データの分析結果(つまり、会話の質)とスピーチデータの分析結果(つまり、外国語能力の発達)を照らし合わせて分析することになる。最終的には、個人差にフォーカスして言語習得、インタラクションの質、個人差の関係性を量的・質的に明らかにする。研究成果は2023年に米国オレゴン州ポートランドで行われるAmerican Association of Applied Linguistics(AAAL)のコロキアムで発表することになっている(Invited Colloquium entitled “Broadening the base and charting new courses in second language speech comprehensibility research”の一部)。
|