研究課題/領域番号 |
19K20939
|
配分区分 | 基金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥村 真衣子 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (60824919)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 場面緘黙 / 対人関係 / 教材 / 玩具 / 北米 / 英国 / 教育場面への援用 / 選択性緘黙 |
研究実績の概要 |
場面緘黙の対人関係を支援する教材・玩具の研究は、1)WEBに基づく北米・英国で使用される教材・玩具の調査、2)教育現場への援用可能性に関する実践、の大きく2つの研究によって構成される。2019年度は、前年度調査の結果に基づき、後者の実践を行った。 実践は、場面緘黙に関する研修に参加した現職教員40名を対象とした。6グループに分かれ、研究1の調査で収集した14種の教材・玩具を1グループあたり4~5種使用してもらった。グループ内討論の後、全体においての共有を行った。また、学校内で教材・玩具の使用が見込める場面や期待される効果をアンケートによって求めた。 結果、使用が見込める場面としては、教科(外国語・国語・生活・総合)、休み時間、通級による指導、交流学習などが挙げられた。すべての教材・玩具が同年代との関係づくりを促進する効果が高いと評価された。また、教師自身から学校での具体的な活用案が表出し、場面緘黙の治療向けの教材・玩具によって、教師の自律的な支援立案と実施が促されることが示唆された。 これら教材・玩具は、治療場面におけるエクスポージャー課題の一環として紹介されており、学校等の教育場面における活用方法について、WEB調査では確認されていない。今後は、治療場面に加え、教育場面における導入と効果について確認する必要がある。特に、エクスポージャー場面という発話に特化した視点と、学校においてクラスの仲間と関係をつくるという視点を分別して、教材・玩具を検証する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に示した実施課題の1)WEBに基づく北米・英国で使用される教材・玩具の調査、および、2)教育現場への援用可能性に関する実践について、計画した手続きに基づき実施できている。 2019年度は、研究1の成果を基に、研究2の実践を行った。一連の研究成果を日本臨床発達心理士会第15回全国大会において発表した。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度までに、研究計画調書に示した実施課題の1)WEBに基づく北米・英国で使用される教材・玩具の調査、および、2)教育現場への援用可能性に関する実践が遂行できた。今後は、結果の分析を進め、研究成果の発表を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際会議への参加・発表を予定していたが、学内業務と重複したため、国内学会での成果発表に変更した。2020年度については、論文校閲費として使用を予定している。
|