研究実績の概要 |
若年層の自殺予防の観点から、子どもの主観的健康観(感)を明らかにし、自殺との関連を探り、具体的な子どもの自殺予防システムを構築することを目的に以下を実施している。 本研究では、まず子どもの主観的健康観(感)把握するために、子どもの主観的健康観(感)に関する調査ツールの開発を行った。子どもは、自分の主観的健康観(感)を把握しにくいので、具体的に主観的健康観(感)を「今日のこころのお天気は?」などに転換し分かり易い提示を考案した。本ツールは、教職員だけでなく子ども自身が、自らの主観的健康観(感)を客観的に捉えられることで、自分の身体的精神的問題の早期発見を実現可能にするためのものになると考えている。そのため以前に香川県で実施した予備調査を精選した上で、多数の文献検索を行い、調査ツールを開発した。本ツールでは、子どもに対して、自分の「からだ」と「こころ」に分けた質問項目を設け、抑うつ状態や基本的生活習慣の程度及び困ったときの相談対象等の調査項目を加え、その関連も探る目的で調査票を作成し、本学倫理委員会で承認を得た。 次に、調査校の選定を行い、それぞれ調査に協力してもらえる学校に対し本調査の趣旨説明を実施した。その結果、高知県、香川県及び岡山県の小学校4校1,962名、中学校5校2,097名、高等学校3校2,304名の合計6,363名に本アンケート調査を依頼し実施してもらい回収した。有効回答者数は、小学校4校1,592名(81,14%)、中学校5校1,875名(89.41%)、高等学校3校2,122名(92,1%)の合計5,589名(87.84%)であった。現在、調査結果の分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では、本研究の調査票によるアンケート調査は、高知県内の小・中学校及び高等学校の児童生徒を対象にと考えていたが、より幅広い子どもの主観的健康観(感)の実態把握が必要であり、日本全国の小・中及び高等学校生に汎化でき役立つツールの開発を手掛けることにした。 それにより対象予定校及び対象人数が、3校程度3,000名程度の予定から12校7,000名程度に大幅に拡大したため、実施依頼の手続きや本調査の趣旨説明及びアンケート調査実施に時間を要したからである。従って当初の研究計画から少し遅れて調査票の分析にとりかかっている現状である。
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