研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、継承日本語教育に携わる教師が他の教師や学校運営者と協働的な関係を構築するプロセスを、ヨーロッパ、北米、オセアニア、アジア地域の教師達へのインタビュー調査によって探った。その結果、継承語学校が抱える構造的問題が教師達の関係構築を難しくしていることがわかった。一方、オンラインツールを活用することや、問題意識の共有、教師としての理想自己の共有がなされることで、協働的な関係が生まれていることが認められた。
日本語教育
本研究の成果の学術的意義は次の2点である。(1)継承語教師の協働的関係構築には学校を取り巻く構造的問題が影響しており、教師の努力のみに成否を委ねることの限界を明らかにした。(2)オンラインツールの活用などによって関係構築が成功するプロセスを明らかにした。これらは、世界各地の継承語教師の関係構築を促進する際に有用な観点や方法の提示をした点で社会的にも意義がある。