研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、生徒指導をめぐる教師同士の話し合いという相互行為の過程で編み出される言語実践に注目し、質的調査を実施した。調査データの分析により、教師同士は同僚教師との間でいわゆるジャーゴン(仲間だけに通じる特殊な言葉)をつくりだし、ローカルな局域のみで通用する秘匿化された言語実践を通して生徒の問題を再構成し、理解しようとしていることが明らかとなった。
教育学
従来の生徒指導論は「いじめの解決」「不登校からの復帰」といった目標を規範的に定めて教師による生徒指導の技術・方法の有効性を検討し、他方で教師による生徒指導の技術・方法の正当性や抑圧性を論じるものが多数を占めてきた。それに対して本研究が事例研究から得られた知見として生徒指導の学校組織的な企図及びその実践の構造的側面を実態に基づいて指摘する点は、生徒指導の組織的対応が求められる昨今、特に有用な視座を提示できたと考えられる。