研究課題/領域番号 |
18H05782
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
瀧本 家康 宇都宮大学, 教育学部, 助教 (60823276)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | WEB地図類 / 地形 / 地質 / 河川地形 / 山地 / ICT / 地形図 / 地質図 |
研究実績の概要 |
本年度は,当初の予定通り宇都宮市内を流れる鬼怒川を対象として,河川地形の代表である河岸段丘の形状,特徴等について予備調査を実施した.WEB地図類を用いた予備調査も実施し,特に地理院地図において断面図を作成することでその特徴が明瞭に浮かび上がることがわかった.そこで,その成果を次年度の本格実践に向けて,本学附属中学校において,中学1年生に対して応募者が試行実践を行った.その結果,タブレットの操作等に多少時間を要したが,十分に本格実践でも実施可能な手応えを得た. また,当初は河川地形を中心に検討していたが,「地形と地質の対応」をより理解させるためには,河川地形だけでは不十分であり,わかりやすい対象として「山地」を用いることが効果的であると考えた.そこで,羊蹄山,六甲山地,甲山,岐阜城,筑波山,大平山,飯野山を地質が異なる山地の例として取り上げることを決定し,実際の授業で用いるワークシート「なぜそこに山があるのか」の作成まで行った.本ワークシートにおいては,栃木県内での実践を意識し,県内の山地である大平山を取り入れることで,身近な地域の地形と地質に対する興味関心の向上を目指した.実際の作業は,①それぞれの地形について,地理院地図やGoogle Earth,スーパー地形アプリでその特徴を把握する,②地質について地質図Naviを用いて把握する,③両者の情報から総合的に地形の成因を考察する,という流れである.これらの作業を通して,「山」であってもその成因が異なることや,地質の違いが地表面の凹凸をもたらす基礎となっていることが理解できると考えられる. また,2019年4月末に福島県郡山市における授業実践の機会を得たため,郡山市内の地形に特徴的な阿武隈川の河岸段丘をテーマとして授業プラン「なぜそこに坂があるの?」の内容を検討中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では,2018年度中に日本地学教育学会や日本地理学会等でその進展,成果等を発表し,内容の改善まで着手する予定であったが,その点のみが唯一スケジュールとして遅れている点である.しかし,5月に開催予定の東北地理学会春季学術大会(東北大学)において,これまでの進展を報告する予定であり,この点を鑑みれば,「おおむね順調な進展」と判断可能である.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度においては,作成したワークシートとこれまでの試行実践の成果を活用し,本学教育学部生に対する実践,附属中学校における本実践,近隣中学校等における実践を行う予定である. それらの実践を通して得られた成果や課題を再度学会等で報告するとともに,当該学会の学術誌に対しても,本研究の成果を投稿できるように準備する予定である.
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