本研究は,中学生が計測・制御システムに関する学習を通して,「情報の技術を,安全性や社会・産業における役割,環境に対する負荷,経済性などの多様な視点で客観的に評価する」(以下,「情報の技術を評価する」と略)力を高める教材・教具の開発を行うこととしていた。本年度は,研究の1年目に検討した教材・教具を利用し,愛媛県下の公立中学校での授業実践を行った。さらに,教員を対象とした研修も行い,カリキュラムの検討を行うことができた。 これらの研究の成果として,3つのことが挙げられる。1つ目に,船を題材として,水中モーターとマイコンボードを利用した教具を利用した学習教材を開発することができた。そして,この教材を利用した工作教室を行い,有用性を示すことができた。2つ目に,系統的なプログラミングの指導により,「情報の技術を評価する」力を高めるためのカリキュラムの提案を行うことができた。そして,愛媛県下の公立中学校で実践することができた。3つ目に「情報の技術を評価する」学習を分散して指導する授業の展開の提案である。提案する内容を愛媛県下の公立中学校で実践することができた。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては,中学生の「情報の技術を評価する」力を高めることを目的として以下のことを示すことができた。まず,中学生を指導する新たな教材・教具とカリキュラムの提案と実践を行うことができた。次に,中学生を指導する教員への研修カリキュラムの提案することができた。そして実践を行い,評価することができた。
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