研究課題/領域番号 |
18H05795
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
村松 麻里 金沢学院大学, 文学部, 講師 (10827843)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 小学校英語教育 / 英語絵本 / リテラシー教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、絵本論の知見に基づく各種絵本の分類及び絵本を用いた本格的な言語教育の歴史をもつ英語圏の国々の実践事例を参考として、日本の小学校英語教育における絵本活用の手立てを考察し、モデル化することを試みるものである。 2018年度は、その目的を遂行するため、様々な英語絵本(オーセンティックな従来の絵本、英語母語話者のリテラシー教育用に開発された絵本、外国語教育用に開発された絵本、文部科学省小学校外国語補助教材の絵本)を一次資料として概観し比較検討を行うとともに、米国カリフォルニア州の公立小学校(及び幼稚園)において2週間の視察・聞き取り調査を実施し、多様な言語的背景を持つ子どもたちの公教育現場において、言語教育に絵本が活用される実態の見取りを行った。具体的には、ReadingやWritingの授業や読み書きに課題がある児童のための個別指導教室(Intervention)等の参与観察を行い、多読や精読、guided readingやindependent reading、教師による読みのチェック、オンラインプログラム等の実際を見取り、教材となる絵本の種類やカリキュラム上の位置づけ、絵本の活用頻度や活用方法等を調査するとともに、教諭へのインタビューを実施した。また、日本の公立・私立小学校においても、現場教諭を対象とした小学校英語関連の講演・ワークショップの実施や授業視察、聞き取り等を通して、英語指導の実際や教師たちが日頃感じている課題等を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一次資料として、各種英語絵本の分析を進めるとともに、米国カリフォルニア州の公立小学校において2週間の視察・聞き取り調査を実施することができ、絵本を用いた言語教育の実態を看守することができた。また、日本国内の複数の小学校においても文部科学省の教材を用いた授業及び独自の教材・カリキュラムを用いた私立小学校の実践等を調査することができた。以上のように、調査においては特に大きな支障を生ずることなく遂行できたと考える。今後は、更なる調査を進めるとともに、分析・考察を進展させていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、言語教育における英語絵本の活用に歴史と実績のある現場での調査をさらに進め、日本の小学校英語教育における絵本活用の示唆となる知見を収集し、理論と実践の両面から日本の小学校英語教育への援用の可能性を探る予定である。また、日本国内の小学校においても、必要に応じて絵本活用の実態調査を継続する。 さらに、2020年度には新学習指導要領全面実施によって小学校高学年で外国語(英語)が教科化され外国語活動も中学年で開始されることを視野にいれ、それらの現場で使用される新学習指導要領対応教材や検定教科書、デジタルコンテンツ等の分析・検証を行い、そうした教材が使用される授業のなかで、英語絵本にはどのような活用の可能性があるのかについて検討を行い、具体的な指導モデルの試案を作成する予定である。
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