研究課題/領域番号 |
19K20987
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
村松 麻里 金沢学院大学, 文学部, 講師 (10827843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校英語教育 / guided reading / shared reading |
研究実績の概要 |
過年度に引き続き様々な英語絵本(real books, reading schemes, 外国後としての英語教育用絵本)を日本の小学校英語教育に位置づけるための調査・研究を行った。 本年度はイギリスと日本、両国の公立小学校とにおいて絵本を用いた授業の参与観察及びインタビュー調査予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により実施できなかった。 そこで、今年度は様々な種類の絵本の特徴の分析を主として行った。言語教育教材としての語彙・文法等の言語的側面と、絵とことばのそれぞれの語りを統合した表現様式として絵本を捉える絵本論的側面とから、オーセンティックな絵本と英語母語話者向け教材絵本、外国語学習者向け英語絵本とを分析し、その特徴をまとめた。また、日本の小学校で現在実施されている絵本・物語を用いた教育内容についても、小学校外国語教科化移行期のテキストWe Can!及び教科後の検定教科書を資料として分析を行った。各社の検定教科書における絵本・物語の要素をもった扱われる「読む」活動は限定的であり、物語全体の文脈から文・語レベルの細部の意味を類推していくというWhole Language的な読みを日本の子どもたちが体験する時間は多くはないと考えられる。日本でも児童が自ら高い動機付けをもって作品を主体的に読み進められる教材として、英米のようにliteraryとinformational双方のテクストに触れられるよう、絵本・物語を未来のカリキュラムに位置づけることの可能性を探っていきたい。 今後、新型コロナウイルス感染症の状況をみつつ、再度機を捉えて国内外の現地調査を行い、引き続きこうした英語圏及び日本国内の英語絵本活用及び教材、カリキュラムの実態調査を行い、日本での英語教育における絵本活用の方略を研究していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、予定していた海外及び国内小学校での調査が実行不可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染拡大にかかる状況を見ながらイギリスの小学校での調査を実行するとともに、それが実現不可能となってしまった場合には文献調査及びび文書やオンライン上のやり取り等を通じたインタビュー等によって現地の言語教育について知見を深めたい。英米のreading schemesの教材研究及び活用実態の調査・分析を実施した後、日本の英語教育においてそれらを活用するための方策を探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により予定していた調査を今年度中に実施できなかったため経費が生じなかった。次年度、小学校での調査を行い、旅費その他経費として助成金を使用したい。
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