研究課題/領域番号 |
18H05797
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
山田 啓次 大阪産業大学, 全学教育機構, 准教授 (70630599)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / ロボットプログラミング / 教育方法 / 教育効果 |
研究実績の概要 |
本研究は、2020年度より小学校で完全実施されるプログラミング教育について、その効果を高めるための実施方法を明らかにすることを目的としている。実験方法としては各実験授業において環境や処遇を変更し、実験授業前後のプログラミング的思考力を比較する。このためにはプログラミング的思考力の評価法を確立する必要がある。現在、具体的な評価法として、自動機器(例えば自動販売機等)の故障事例を示し、被験者(児童)がどのような推測を行うかを評価基準とした。また、具体的な環境や処遇の差は、①3名1グループでの学習、②個人での学習、という学習形態、および、学習時間①3時間1回、②2時間5回(総時数10時間)、という学習時間の差を比較することとした。これら実験授業については小学校との交渉が済んでおり、9月~11月末に実施予定である。現在は使用する教材の調整をおこなっている。 このような実験授業を小学校で実施するには,小学校教員側の理解と協力が必要になる。この実験の事前準備として各小学校教員に対し、事前研修を実施した。併せて、プログラミング教育の実施者となる小学校教員に対し、質問紙法による調査を実施(3市79名)、プログラミングの授業に対するレデイネスや不安を測定し、授業者のスキルについても言及した。 調査結果からは、小学校教員の9割がプログラミング自体を体験したことがなく、大きな不安を抱えている。また、プログラミング学習を実施する環境についても不安や不満があり、かなりのストレスとなっている。本研究では児童対象の実験を実施する前に教員対象の研修を実施、不安除去に関する知見も得られた。これらの成果は8月に日本産業技術教育学会で報告する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本実験では、スタート年度途中の実施を目指したが、使用するPCの調達に相当な時間を要した他、実験授業は複数の小学校で行うため、年度途中での実験授業は困難であり結果として実施できなかった。一方、小学校に理解と協力を得るため、大阪府下3市の小学校教員に対し研修会を実施できたことは今後の実験授業を進める足掛かりとなった。 実験授業は5週にわたるので、小学校のカリキュラムや行事との調整が必要はもとより、小学校教員の皆様に理解していただく必要があり、事前準備に多くの時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度調査した小学校教員のレディネスと意識を分析し、指導者に有効な研修方法を明らかにし、8月に日本産業教育学会で発表予定。 7月8月は教員研修を実施し、小学校教員に実験授業の理解と協力を求める。 9月から11月末にかけて小学校での実験授業を行いデータを収集する。2時間×5週を2校で行い3時間×1日の授業を数校で実施する。実験授業実施校において事前事後のプログラミング的思考力に関する評価を実施する。これらの知見をもとに年度内に小学校プログラミング教育モデルを確定する。
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