うつ病,不安症などの感情障害の背景にあるメカニズムに共通する要因として,感情反応の強度・種類を調節するプロセスである感情制御が注目されている。これまでの研究は主に認知的なプロセスを検討してきたが,近年は感情制御における対人関係・対人交流の機能が注目を集め始めている。本研究は,周りにサポーティブな他者が存在すること,感情制御において他者からサポートを受けることが,個人の感情制御や精神的健康に与える影響について新たな知見を提供するものであり,心理学的支援・介入アプローチの開発・改良に今後つながることで,社会的問題の解決に貢献しうる。
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