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2018 年度 実績報告書

不登校児の中枢性/精神性疲労における行動・分子・神経基盤応答連関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18H05812
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

山下 雅俊  京都大学, 総合生存学館, 特定研究員 (50828928)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワード中枢性/精神性疲労 / 睡眠障害 / 海馬 / トリプトファン / 神経伝達物質
研究実績の概要

中枢性/精神性疲労は脳に一局集中した病理的疲労現象であり、脳機能を低下させる。精神性疲労によるヒト脳への影響として、ワーキングメモリ課題中の前頭葉活動の低下や前頭葉体積の減少が報告されており、これらの神経異常が記銘力などの低下に関係すると言われている。また、睡眠障害や易疲労性を伴う不登校生徒には、記銘力の低下が認められる。一方、申請者のこれまでの研究で、海馬特異的に疲労物質のトリプトファンやキヌレン酸の含量が睡眠障害を伴う中枢性疲労ラットで多く、海馬機能依存の空間記憶の想起を抑制することが示唆されている。
本研究では、海馬を機軸とした行動、分子、神経基盤の3つのレベルの指標が不登校生徒と健常生徒でどのように異なるのかを、心理調査(疲労・睡眠状態)、行動実験(記憶検査など)、生化学実験(疲労物質・神経伝達物質)、fMRI実験の4つの観点から検討する。
当該年度においては、睡眠障害と易疲労性を伴う不登校生徒の海馬を機軸とした行動、分子、神経基盤を明らかにするために、疲労・睡眠状態に関する心理調査の確立、海馬を機軸とした行動実験の確立、脳機能・脳構造解析手法の取得が主な成果となっている。本実験の遂行については若干の遅れが生じているが、現在、フリースクールや不登校等親の会を通じて募集した中学生・高校生と通常学級の中学生・高校生を対象に、心理調査、行動実験、生化学実験データの採取と解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度においては、疲労・睡眠状態に関する心理調査の確立、海馬を機軸とした行動実験の確立、脳機能・脳構造解析手法の取得は順調に進んだ。本実験の遂行については若干の遅れが生じているが、現在、就学生徒を対象に心理調査、行動実験、生化学実験データの採取と解析を加速させている。

今後の研究の推進方策

現在、就学生徒を対象に心理調査、行動実験、生化学実験データの採取と解析を加速させている。令和元年後半より、就学生徒の記憶課題遂行中の脳活動と脳構造をfMRIにより把握する。このように、海馬を機軸とした中枢性/精神性疲労回路を心理学・生化学・認知神経科学的手法から迫ることで、行動レベル、分子レベル、神経レベルの応答連関を明らかにする。

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公開日: 2019-12-27  

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