本研究は、ワンストップ支援センターからの紹介で精神科を受診した性暴力被害者のカルテ調査研究である。対象者は、調査期間の6年半の間にワンストップ支援センターからの紹介により精神科初診となった患者であり、分析の結果、対象者70名のうち74.5%の主診断が急性ストレス障害(ASD)あるいは心的外傷後ストレス障害(PTSD)であった。 本研究より、ワンストップ支援センターから紹介される性暴力被害者においてはPTSD罹患率が高く、被害者へのPTSD専門治療が求められることが示唆された。性暴力被害者の精神的回復においては、本研究における性暴力被害者の実情を踏まえた支援が行われることが有用であると考えられる。
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