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2018 年度 実績報告書

原子レベル構造の理解に基づく溶融塩法による汚染土壌からの材料創製技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18H05856
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

長谷川 友里  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 博士研究員 (60829464)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワード放射性汚染土壌
研究実績の概要

放射性汚染土壌の減容と再生利用は環境回復における重要な課題の一つである.本研究では,環境省の提示する汚染土壌処理の指針(2018年度)に基づき,汚染土壌の処理技術の中でも特に開発の求められている加熱・化学処理に着目した.なかでも溶融塩法は古くから提案されているものの,処理後の土壌の成分が明確ではなく,制御技術の向上が求められている.そこで本研究課題では,減容と再生利用の促進に向け,溶融塩と雲母との反応の初期段階における局所的な構造を明らかにすることで,Cs脱離と結晶成長過程の制御を目指す.
本課題では,雲母に及ぼす影響が顕著にみられる溶融塩の条件を探索した.これまでの研究においてNaCl-CaCl2を混合した溶融塩の結果が報告されていることから,本研究では,溶融塩の条件として,混合比 (NaCl-CaCl2比)に注目した.黒雲母に混合比の異なるNaCl-CaCl2少量ずつ添加していき,700℃で2h加熱後,自然冷却したのち洗浄した.加熱前後の組成及び結晶構造を蛍光X線分析(XRF)およびX線回折(XRD)を用いてそれぞれ計測した.XRF計測の結果,いずれの混合比においても検出限界以下までCsが脱離しているものの,混合塩中のNaClによるCs脱離の抑制が示唆された.一方,XRD計測の結果からは,NaClの混合比により組成を変調できる可能性が示唆された.CaCl2比の多い場合wadaliteとhematiteが形成されるのに対し,NaCl比の増加によりdiopsideの形成も観察された.
本研究により,Cs脱離および選択的結晶成長に対してCaCl2-NaClの混合比が寄与する可能性が示された.今後,各条件における原子レベルの構造観察により結晶成長初期過程を解明することで,溶融塩法の技術開発に貢献することが期待される.

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] アルカリ塩を用いた黒雲母結晶からのCs除去と結晶創成2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川友里,本田充紀,鈴木伸一,矢板毅
    • 学会等名
      第79回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] アルカリ塩によるケイ酸塩鉱物からのCs脱離と結晶成長過程の解明2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川友里,本田充紀,鈴木伸一,矢板毅
    • 学会等名
      2018年日本表面真空学会学術講演会
  • [学会発表] 溶融塩の混合比による黒雲母からのCs脱離と結晶成長の変化2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川友里,本田充紀,鈴木伸一,矢板毅
    • 学会等名
      第29回日本化学会関東支部茨城地区交流会
  • [学会発表] NaCl-CaCl2の混合比による雲母からのCs脱離と結晶成長の変化2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川友里,本田充紀,鈴木伸一,矢板毅
    • 学会等名
      第15回茨城地区分析技術交流会

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公開日: 2019-12-27  

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