本研究では,南西諸島を中心とした水深100-400mの生息場の調査やサンプリングを行った.骨格分析に関しては,各種顕微鏡, SEM,EDXなどを用いて詳細に観察した.その結果,単体とされていたサンゴ種は,環境に応じて群体を形成する高い形態学的可塑性を有し,単体または群体が深海イシサンゴ類において頑丈な分類形質ではない可能性を示唆した.サンゴ生体は複数の時計遺伝子の存在を確認した.今後はサンゴ骨格の続成作用を踏まえた骨格微細構造解析と,同位体測定などの地球化学的分析を組み合わせた研究手法により,高解像度の古環境復元を行うことを予定している.
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