水蒸気噴火は,国内外で数多く発生する噴火形態のひとつで,その発生機構は解明されていない.本研究課題では,水蒸気噴火が発生した,または発生しうる火山である,箱根大涌谷と立山地獄谷で,火山ガスおよび温泉水の化学と同位体比分析を行なった.大涌谷直下に存在する熱水系の温度は,最大で260度程であることがわかった.また,小規模な火山活動の変化は,火山ガスの化学組成に反映されていた.立山地獄谷の噴気の一部は,100度の同位体分別を受けたものと,より高温でマグマ水と天水が分離したものの2種類あることがわかった.地獄谷の温泉水は,ClとSO4の濃度から3つに分類されることがわかった.
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