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2019 年度 実績報告書

貼付型汎用熱伝導率計測デバイスの実現

研究課題

研究課題/領域番号 19K21071
配分区分基金
研究機関青山学院大学

研究代表者

柏木 誠  青山学院大学, 理工学部, 助教 (70825421)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード熱物性計測 / ナノスケール熱物性
研究実績の概要

本年度は、基板として形状記憶ポリマー(Shape Memory Polymer: SMP)を用いて貼付型熱伝導率計測デバイスの作製を試みた。昨年度に検討していたSBSナノシートを基板とした計測デバイスは、サンプルに貼り付けるまでは3ω測定用の金属細線パターンの断線や抵抗値変化が生じることはなかったが、測定後にサンプルから剥離することは困難であった。一方で、SMPは温度変化により状態が変化するため、複数回の仕様が可能となる可能性がある。具体的には、ガラス転移温度以下の場合はGlass stateを取り硬化するため貼り付け状態を維持できるが、ガラス転移温度以上となるとRubber stateとなり軟化するために剥離可能となる。本研究では、Tg = 55℃のポリウレタン型SMPを用いて検証を行った。また、3ω測定用の金属細線パターンはフォトリソグラフィにより形成した。その結果、複数回利用可能な貼付型熱伝導率計測デバイスの実現に成功した。しかしながら、昨年度のSBSナノシートを用いたデバイスと同様に、熱伝導率計測結果としては若干低い値となってしまった。
本年度は上記の実験に加え、本手法による熱伝導率計測結果が過小評価されてしまう原因について数値解析を用いて検証した。ここで過小評価の原意としては、基板の高分子薄膜の熱抵抗と、高分子薄膜とサンプルとの間の界面熱抵抗の2つが考えられる。計測時の状態を再現した数値解析モデルを形成し、有限要素解析を行った結果、後者の界面熱抵抗が過小評価の主な原因であることが示唆された。より具体的には、高分子極薄膜内部での熱浸透深さを検証した結果、1kHz程度の周波数においても10μm以上の深さとなることが示された。この結果はサンプルに対して熱が十分に浸透していることを示しており、基板の熱抵抗よりも界面熱抵抗が結果に影響していることを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 反応性スパッタにより作製したα-MoO3薄膜の熱物性解析2020

    • 著者名/発表者名
      青木優津希、山下雄一郎、八木貴志、賈軍軍、柏木誠、竹歳尚之、小口有希、重里有三
    • 学会等名
      第86回研究会(日本学術振興会第166委員会)
  • [学会発表] α-MoO3薄膜の積層方向熱伝導率におけるサイズ効果の検討2019

    • 著者名/発表者名
      青木優津希、山下雄一郎、八木貴志、賈軍軍、柏木誠、小口有希、竹歳尚之、重里有三
    • 学会等名
      第40回日本熱物性シンポジウム(日本熱物性学会)
  • [学会発表] Study of MoO3 thin film with low thermal conductivity2019

    • 著者名/発表者名
      Y. Aoki, Y. Yamashita, T. Yagi, J. Jia, M. Kashiwagi, Y. Oguchi, N. Taketoshi, Y. Shigesato
    • 学会等名
      Materials research Meeting 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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