研究実績の概要 |
基本原理を実験的に確認するために,以下に示す3つの実験を行った. 空間分割したデジタルホログラフィの取得・再生:ホログラムを空間的に分割することにより,異なる方向における再生像が得られることを確認する.対象物体はサイコロを用いた.撮像素子を4つの領域に分けてサイコロを測定した際の再生像をデジタルホログラフィによって取得し,視点の異なる画像が得られていることが明らかにした. 物体の変位による位相変位の取得:可動部と固定部のから成るアルミ板をデジタルホログラフィによって計測した.可動部を3軸PZTステージでx方向に400μm変位させた場合の位相を解析し,異なる方向における位相が得られること,そして,物体の変位によって位相変位が生じることの両方を確認した. 位相差と感度ベクトルの取得:物体の3次元変位量と得られる位相差の定量的な関係を評価するため,先述のアルミ板の可動部をx, y, z 方向にそれぞれ微小に変位させながらデジタルホログラフィによって位相差を取得した.この時,x, y 方向には,0.4 μmごとに0.0 μm から2 μmまで,z方向には0.02 μmごとに0.0 μm から0.1μmまで変位させた.x,y,z方向それぞれで,領域ごとに異なる位相差が得られていることを示した.よって,単一のカメラを用いることによって複数の方向からの感度ベクトルが得られることが明らかになった.実際に計測したい物体の変位量はこの感度ベクトルから算出することが可能である. また,上記結果を国際会議International Workshop on Holography and Related Technologies 2019 (IWH2019)にて発表した.
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