本研究課題では、工場作業者にとって安全性の高い人-ロボット協調生産システムを実現することを目的として、本研究課題では最適共振比に基づく力覚制御アルゴリズムについて理論検討および実機検証を行った。この研究目的を達成するため、①産業用ロボットの関節構造を踏襲した実機検証用ロボットアームの製作、および②最適共振比に基づくロボットアームの力覚制御系の実機実装、③最適共振比に基づくロボットアームの力覚制御系の実機検証を実施した。 まず、前年度に引き続き、産業用ロボットの関節構造を踏襲した実機検証用ロボットアームを設計・製作した。前年度は、予算計画上ロボットアームの一部が未完成の状態となっていたため、本年度の予算を執行して実機検証用ロボットアームを完成させた。さらに、ロボット本体の製作と併せて評価用力覚センサの導入も行った。また、力覚制御系の実機実装に関して、前年度計算機シミュレーションにて設計・解析を行った制御アルゴリズムを制御用PC上に実装した。実装・制御ソフトウェアのデバッグが完了した段階で力覚制御アルゴリズムの制御性能評価に移行し、必要な実測データの取得を行った。 本研究課題で得られた研究成果については、令和元年度電気関係学会四国支部連合大会において口頭発表を行った。さらに、4th STI-Gigaku 2019においても英語ポスター発表を行い、関連研究者との情報交換および研究成果の社会還元を行った。 これらの実績を達成するにあたり、関節部アクチュエータの追加購入費用、および評価用力覚センサの購入費用、学術学会参加にかかる旅費を計上した。また、力覚センサの導入に伴い、制御用PCの拡張スロットが不足してしまうことからスロット拡張BOXの購入費用も計上した。
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