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2019 年度 実施状況報告書

海洋レーダを用いた津波減災技術の構築~警報解除および激甚被災地探索の迅速化~

研究課題

研究課題/領域番号 19K21085
配分区分基金
研究機関東北大学

研究代表者

門廻 充侍  東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (80819673)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード海洋レーダ / 津波高 / 津波波峰 / 南海トラフ地震津波 / 津波断層 / 津波観測情報
研究実績の概要

(1) 海洋レーダを用いた沿岸での津波高推定手法に関する基礎検討
海洋レーダが観測する流速とレーダ局周辺の水位分布の関係を検討した.津波シナリオとして,マグニチュード8.78~7.30までの10種類の規模を想定し,津波波源の中央が紀伊水道沖となるよう形成位置を設定した.津波シナリオの不確かさを考慮するために,断層長は77km~768kmの10通り,断層幅は断層長の1/2と仮定し,地震発生層を超える場合は地震発生層で打ち切った.すべり量は相似則を用いて断層長から計算し,断層深さは5km,走向はトラフ軸に平行(244度)となるように設定し,傾斜角は25度とした.設定された津波シナリオに対して,Okada(1992)の方法を適用し求めた津波波源を初期条件として,津波の伝播計算を実施した.海洋レーダの観測面における視線方向流速,レーダ局周辺の水位分布を出力した.30分以内に海洋レーダで観測された最大流速と60分以内に観測された最大水位の関係を検討した結果,相関関係が確認された.
(2) 海洋レーダを用いた津波波峰推定手法の改善
昨年度提案した津波波峰推定手法に関して追加検討を行った.津波シナリオの不確かさを踏まえ,津波波源の形状がより複雑な内閣府想定(2012)をMw9.1の津波シナリオとして用いて,昨年度の同様の手法で計算した.その結果,昨年度の結果(特性化波源モデルを用いた場合)と比較して,津波波峰の推定精度が低下することが明らかになった.これは,外力条件として用いた津波波源の複雑性が主な原因であると推測された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

南海トラフ地震津波を対象として,1局の海洋レーダが観測する流速とレーダ局周辺の水位分布の関係を検討できた.また,昨年度提案した津波波峰推定手法に関して追加検討を実施できた.より複雑な津波波源を用いたことで,津波波峰推定手法に関して新たな課題が明らかにすることができた.一方で,今年度予定していた仮想津波観測実験を行うことができなかった.

今後の研究の推進方策

今年度課題として明らかになった津波波峰の抽出手法の再検討を行う.そして,今年度実施できなかった仮想津波実験(実観測データに含まれるノイズや潮流成分の考慮)を行い,Ogata et al.(2018)の手法を用いて,仮想津波実験の計算結果から津波成分を抽出する.さらに,詳細な地形データを用いた津波数値計算を実施し,海洋レーダで観測された流速と沿岸都市で観測される津波高の関係性を検討する.

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していた,地理的情報システム解析ソフトの購入費が必要なくなったため.また,英語論文の校正費は今年度投稿準備が完了しなかったため,次年度に使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Feasible Study for Predicting Tsunami Height by Using Oceanographic Radar Installed in Wakayama Prefecture2019

    • 著者名/発表者名
      Shuji SETO , Tomoyuki TAKAHASHI , Hirofumi HINATA , Ryotaro FUJI , Fumihiko IMAMURA
    • 学会等名
      AOGS 16th Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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