研究実績の概要 |
2018年度は、行政計画の整理、将来推計人口分布及び将来推計パーソントリップの構築、将来都市構造可視化シミュレーションツールの試験的開発を行い、将来像を検討する上での必要となるデータの整理・構築・開発を行った。研究手法及び主な知見を以下に示す。 1.地方都市であり、コンパクトシティの構築を目標としている自治体である愛知県豊田市を対象として、都市計画マスタープラン、交通まちづくり計画、山村地域の振興計画等の内容を整理し、行政が目標としている地域別将来人口や公共交通利用率、宅地増加量等について把握した。 2.コーホート要因法を用いて市全域、地区別、100mメッシュ別の将来推計人口を算出、および構築した。主な知見として、2040年の目標人口設定値が豊田市全域で420,000人、都市計画区域で404,000人である一方、推計した結果では豊田市全域で408,866人、都市計画区域で393,125人となり、推計値との差分ではそのほとんどが都市計画区域であることを示した。 3.小ゾーン別のパーソントリップデータを基に将来推計拡大係数を算出し、小ゾーン別将来推計パーソントリップを推計した上で、パーソントリップ数を100mメッシュに配分するパラメータを設定し、100mメッシュの将来推計パーソントリップを構築した。その結果として、将来推計パーソントリップは減少傾向にあり、人口の減少率よりも大きくなることを明らかにした。 4.2019年度に向けて、様々な将来都市構造を検討できる将来都市構造可視化シミュレーションツールを試験的に構築し、目標人口や集約範囲を決定するシナリオの検討及び評価を行った。
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