シリコンは、現在の社会を成り立たせる材料の一つである。シリコン表面に対する良好な保護性能を示す保護膜は、通常絶縁性の材料であり電気伝導との両立が困難である。本研究では、良好な保護特性と電気伝導性を両立する導電性保護膜の開発を志向した。その結果、シリコン酸化膜中のナノ結晶シリコンの比率が大きくなるほど、保護性能が低下する一方、電気伝導が向上する結果を得た。このことは、保護性能と電気伝導を制御することが可能となることを意味している。開発した導電性保護膜は、太陽電池への応用だけでなく、シリコン基板と様々な材料との接合材として利用するなどの展開が可能であり、高い社会的意義が期待できる成果が得られた。
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