研究課題
研究活動スタート支援
アルコール類の酸化剤を用いない,脱水素型酸化において,触媒の候補となる種々の機能性配位子と鉄錯体の組み合わせを検討した.本研究内では,高効率かつ,将来的に発展可能性の大きな鉄触媒系の創出には至らなかったが,貴金属触媒系において有効な配位子系を新たに見出すことはできた.見出した錯体触媒は既存の触媒の活性と比較すると性能では劣るものの,異なるメカニズムで反応を進行させていると見られ,今後の触媒開発において有益な知見を与えうる.
有機金属化学
環境調和性に優れた脱水素型酸化反応はこれまで貴金属錯体を触媒として達成されてきた.この反応を資源量の多く持続可能性の高い鉄錯体触媒への代替を見据えて配位子・錯体の開発検討を試みた.残念ながら,将来的に発展可能性が期待できる鉄錯体触媒系を見出すには至らなかったが,従来の貴金属系において有効な配位子系を新たに見出すことには成功し,効率的な錯体触媒の開発におけるライブラリーを増やすことができた.