植物のリン獲得機構に関しては多くの知見が得られているが、これまでの研究は必要なリンの外からの獲得を増強することを目的とするものであった。シロイヌナズナにおいては唯一ソース組織からシンク組織へのリンの輸送に関わる輸送体AtPht1;5が報告されているものの、研究代表者が着目する体内でのリンの転流に関わる輸送体はイネではまだ見つかっていなかった。本研究成果によって得られた知見は、リンの体内利用効率の向上に貢献し、限りある資源であるリンを有効利用するための手段となりうる。このことは今後さらにその重要性が増すとされる持続可能な農業へとつながる大きな一歩となる。
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