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2019 年度 実績報告書

植物病原菌におけるホウ酸走化性の意義

研究課題

研究課題/領域番号 19K21146
配分区分基金
研究機関広島大学

研究代表者

緋田 安希子  広島大学, 統合生命科学研究科(先), 助教 (70825760)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード走化性 / ホウ酸 / 走化性センサータンパク質 / 植物病原菌
研究実績の概要

本年度はまずタバコ野火病菌Pseudomonas syringae pv. tabaci 6605株についてホウ酸走化性の解析を行った。走化性センサー破壊株を用いた解析によりホウ酸走化性に寄与するセンサー(Ps_McpB)を特定した。Ps_McpB破壊株ではホウ酸への走化性が完全に解消した。タバコ野火病菌におけるホウ酸走化性の植物感染への重要性を検証するために、当該破壊株を用いたタバコへの接種試験を試みた。なお、当接種試験は研究協力者である岡山大学の一瀬勇規教授らの研究グループによって行われた。タバコ苗への接種試験の結果、ΔPs_McpBは野生株と同等の病原性を示し、少なくとも本試験条件ではホウ酸走化性は感染に寄与しないという結果となった。
BLAST解析から、ホウ酸センサーのホモログはDickeya dadantii 3937株という植物病原菌にも存在することが明らかとなった。本細菌のホウ酸センサーホモログ(Dd_McpB)は2015年にジャスモン酸を感知する走化性センサーとして植物体内への侵入に寄与することが報告されていた。しかし、その際にホウ酸の感知の有無については評価されていなかった。そこで、Dd_McpB遺伝子を人工合成し、青枯病菌のホウ酸センサー破壊株に異種相補することでその機能を解析した。その結果、Dd_McpBもホウ酸走化性センサーであることが明らかとなった(しかし、ジャスモン酸走化性には寄与しなかった)。この結果と2015年の報告を合わせると、D. dadantiiではホウ酸走化性が感染時の植物体内への侵入に寄与する可能性が高いことが示された。このことから、やはり青枯病菌やタバコ野火病菌でも同様にホウ酸走化性が感染に寄与する可能性は高いと考えられ、これについては今後感染実験の条件を再検討し解析していく必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 植物病原菌は何を目印にして宿主を探す?2019

    • 著者名/発表者名
      緋田安希子、田島誉久、加藤純一
    • 学会等名
      生物工学若手会夏のセミナー

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公開日: 2021-01-27  

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