研究課題/領域番号 |
19K21159
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補助金の研究課題番号 |
18H06020 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
渋井 宏美 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林産試験場, 研究職員 (50825932)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | カラマツ / 油溶性薬剤 / 浸透性 / 樹脂道 / 壁孔 |
研究成果の概要 |
難浸透性のカラマツ材において高浸透性油溶性薬剤が深く浸透することができる要因を明らかにするために,カラマツ材組織内における油溶性薬剤の浸透経路や,壁孔の開閉が浸透性に与える影響について検討した。油溶性薬剤は仮道管や放射組織等あらゆる組織内に浸透した。特に,油溶性薬剤と親和性の高い樹脂が充填された樹脂道を優先的かつ急速に浸透したことが油溶性薬剤の高い浸透性に寄与すると考えられた。油溶性薬剤の浸透性は,心材では壁孔閉塞率が低い場合に高くなる傾向が見られたが,辺材では壁厚閉塞率にかかわらず高い浸透を示したため、壁孔の状態以外にも油溶性薬剤の浸透性に寄与する要因が存在することが示唆された。
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自由記述の分野 |
木材保存
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高浸透性の油溶性薬剤が,難浸透性のカラマツ材でも高い浸透が得られる要因として,樹脂道ネットワークを通じて素早く移動することが明らかとなった。さらに,液体の浸透性に深く関わると言われてきた壁孔の開閉以外にも油溶性薬剤の浸透性に関わる要因が存在することが示唆された。本研究は,これまでほとんど調べられてこなかった油溶性薬剤の浸透性について木材解剖学的観点から新たに明らかにした点で学術的価値の高いものであり,保存処理が困難であったカラマツ材の用途拡大に向けた応用的価値の高いものである。
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