研究課題
ER exit siteは1細胞あたり数百個存在する小胞体上の分泌小胞形成ドメインである。近年、ER exit siteは、細胞周期や細胞外環境に応じてその数や大きさを変化させることで、分泌を調節することが報告されている。研究代表者は先に、ER exit siteにおけるコラーゲンの積荷受容体として機能する膜タンパク質 TANGO1が、同じくER exit siteにおける膜タンパク質であるcTAGE5, Sec12とともに安定した巨大複合体を形成することを明らかにした。またTANGO1はSec16と結合することでER exit siteに集積する表在性膜タンパク質の局在を制御することを見出した。本研究において、研究代表者は哺乳細胞のER exit siteを超解像顕微鏡SCLIMで観察することにより、ER exit site内が一様ではなく、各因子が偏在したドメインを形成することを明らかにした。また、そのタンパク質の偏在は、これまでに明らかになっていた各構成因子の結合特性を反映していた。さらに、ER exit siteにおいてもCOPII小胞と同様に内側被覆因子Sec23が外側被覆因子Sec31よりも小胞体膜に近い部分に局在していることを明らかにした。最近になって、ER exit siteにおいては従来のCOPII小胞の出芽モデルとは別に、ER exit siteが分泌タンパク質のsortingを行っているモデルが提唱されている。本研究は、これまで不明だった哺乳細胞のER exit siteの形態を明らかにしただけでなく、新しい分泌モデルを考える上でも重要な知見をもたらすと考えられる。
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