概日時計は約一日周期の体内時計である。この時計の重要性質として、環境温度が変化しても周期は一定という温度補償性がある。本メカニズムの解明のため、細胞時計の温度補償性に影響する低分子化合物を探索した。その結果、TC-1、TC-2という化合物が温度補償性を大きく阻害することを見出した。これら化合物は同じシグナル伝達 (TCシグナル)上で機能することを見出した。さらに、TCシグナルは温度補償だけでなく、自律振動にも重要であることが分かった。TCシグナルを媒介するタンパク質の欠損マウスを解析したところ、輪回し行動リズムに重篤な異常が観察され、TCシグナルがマウス個体においても重要であることが分かった。
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