研究課題
(研究の具体的内容)本研究の過程で明らかにしたヒト大脳皮質の有向ネットワークの睡眠による生理的変容の知見を活かして,国内の臨床神経生理を専門とする学会において睡眠脳波の判読に関する初学者向けの教育講演を行った.また,研究の結果を得る過程で得た解析プログラムを生かし,昨年度から行っている慢性硬膜下電極留置症例における視覚呼称課題時の神経活動の指標である高周波周波数帯域活動の生物・非生物の違いと情報伝播様式の違いの解析を継続した.後頭側頭葉・側頭葉底面後方で賦活が大きく,それらの間や内部での有向性の情報伝播様式をみたところ,生物の刺激呈示後に側頭葉底面後方内での伝播が非生物より優位に大きく見られ学会で報告した.生物の情報処理は複数の場所のネットワークを通じて効率的に行われていると考察された.COVID-19の影響下で手術件数が減少したこともあり,新たな硬膜下電極留置症例はできず,睡眠に関する追加データは得られなかったが,生理的脳内ネットワークに関わる深部核の関与を検討し,脳外科的手術における脳室解放症例での脳内電極による信号記録に着手した.(意義・重要性)・本研究の過程で,脳内有向ネットワークの理解をさらに深めるための解析手法の洗練化や新たな条件下での記録(皮質ともにネットワークの一部を担っている視床などの深部核も記録)を用いた次の研究につながる基礎を築くとともに,学会での教育講演を通じて睡眠とてんかんの密接な関係について社会に広めることができた.
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Clin Neurophysiol
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