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2019 年度 実績報告書

超音波とCO2産生ナノ粒子を活用したがんセラノスティクスシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K21232
配分区分基金
研究機関東京薬科大学

研究代表者

濱野 展人  東京薬科大学, 薬学部, 助教 (80708397)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワードマイクロ流体技術 / in vivoイメージング / TEM
研究実績の概要

セラノスティクスとは、治療と診断が一体化したシステムであり、近年、がん病巣を診断しつつ治療を行なう事が出来る次世代型高精度医療システムになり得ると期待されている。本研究では、臨床において診断や治療で既に用いられている超音波とがん深部組織に移行可能なガス (CO2)発生ナノ粒子を組み合わせることで、診断及び治療に課題があるがんに対するセラノスティクスシステムの基盤構築を目的とする。はじめに加温によりCO2が発生する化合物を含んだナノ粒子の作製法確立に向けて検討を行った。本申請研究を遂行する上で必要な粒子サイズとして、がんの深部まで到達可能な粒子径である30-60 nm程度を目標に作製した。リン脂質、コレステロール、PEG脂質と加温によりCO2を産生させる炭酸水素アンモニウム (ABC)を用いて作製したところ、およそ60 nmのナノ粒子が作製できた。このABC含有ナノ粒子の形態をTEMにより確認したところ、均一な球形構造を示した。更にABC含有ナノ粒子は65℃に加温したところ、PDIが増加したことから、温度感受性を有することが示唆された。この温度感受性に伴うPDIの増加は、温度上昇によってCO2が産生され、粒径に変化が生じたためと考えている。最後に、本ナノ粒子のがん組織への集積を検討したところ、投与24時間後にがん組織への集積が確認された。以上のことから、ABC含有ナノ粒子はがん組織に移行可能なCO2発生ナノ粒子として機能することが期待できる。今後、集束超音波とゲルファントムを用いて、超音波照射に伴う温度上昇とナノ粒子の物性変化並びに超音波造影能について検討し超音波を利用したセラノスティクスシステムの構築に向けて検討を進めていく予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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