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2018 年度 実績報告書

酸棗仁湯の脳由来神経栄養因子(BDNF)産生能のメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 18H06119
配分区分補助金
研究機関松山大学

研究代表者

澤本 篤志  松山大学, 薬学部, 特任助教 (70760388)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワード酸棗仁湯 / 脳由来神経栄養因子 / 海馬 / 育薬
研究実績の概要

脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor; BDNF)は記憶や学習などの高次脳機能発現において重要な役割を果たす. 記憶を司る海馬におけるBDNFの減少は認知症やうつ病などの中枢神経疾患の発症に関与することが報告されている. 申請者はこれまでに, 不眠症の改善に用いられる酸棗仁湯が海馬のBDNFを増加させることを見出したが, その機序については不明であった. 本研究では, 育薬の観点から酸棗仁湯構成生薬およびその含有成分に着目し, 酸棗仁湯が有するBDNF産生促進作用のメカニズム解明を試みる.
本年度はまず, 酸棗仁湯の構成生薬(サンソウニン, チモ, ブクリョウ, センキュウ, カンゾウ)が核内転写因子cAMP response element binding protein (CREB)のリン酸化およびBDNF産生に及ぼす影響の検討を行った. マウス神経芽細胞腫由来の株化細胞Neuro2a細胞に各構成生薬抽出エキスを添加しところ, サンソウニンおよびブクリョウの抽出エキスがCREBのリン酸化およびBDNF産生を促進することが明らかとなった. 次に, これら2生薬の抽出エキスをマウス(C57BL/6N, 雄性, 7週齢)に16日間経口投与した. 後半の7日間は8方向放射状迷路試験により空間作業記憶課題獲得までの日数および時間を計測した. サンソウニンを投与したマウスは対照群(水を経口投与したマウス)に比べて餌獲得までの時間が短縮されること, 餌獲得効率が上昇することが明らかとなった. 以上の結果から, 酸棗仁湯のBDNF増加作用にはサンソウニンの寄与が大きいことが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り, 酸棗仁湯構成生薬の中でBDNF産生への寄与度が高いと予想される構成生薬の選定(in vitro)およびそれらが学習・記憶形成に及ぼす影響(in vivo)について検討できた.

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、次年度はサンソウニンに焦点を絞り, 含有量が高い化合物についてBDNF産生機構の解明を試みる.

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公開日: 2019-12-27  

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