研究課題
研究活動スタート支援
強迫性障害(OCD)は繰り返す強迫観念と強迫行為を主徴とする精神疾患である。OCDの薬物治療は第一選択薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が主に用いられるが、治療奏効率はOCD症状の種類により異なることが臨床上報告されている。本研究では新規のOCDモデルマウスを作製し、妥当性を評価した上で、そのモデルを用いてSSRI抵抗性の症状にも改善作用を示す治療標的を見出した。
神経薬理学
OCDの創薬研究は、アンメットニーズの存在は認識されているものの、アプローチの方策に乏しいために難航している。本研究では、治療薬探索に適した簡便で妥当性を備えた新規のモデル動物の作製・評価を行ったのみならず、既存の治療薬であるSSRIに抵抗性の強迫性障害様行動に対しても改善作用を示す、新規の治療標的を見出すことに成功した。この成果はOCDや強迫性が問題となる類似精神疾患の新規治療法開発に繋がることが期待できる。