網膜における神経-グリア-血管連関の破綻における matrix metalloproteinase (MMP) の意義を理解するために、神経障害後の血管障害における MMP の役割について検討した。その結果、1) MMP 阻害薬が血管障害を抑制すること、2) 血管の脱落に先行して血管の MMP 活性が上昇すること、及び 3) 網膜実質に浸潤した白血球が MMP-9 を産生すること、から神経障害後に網膜実質へ浸潤した白血球が産生した MMP-9 が、血管の MMP 活性を上昇させて血管障害に寄与することが示唆された。本成果は、MMP の機能制御が網膜疾患の新規治療戦略になる可能性を示唆している。
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