本態性高血圧患者の副腎では1副腎あたり平均1.5個のAPCCを同定した。この数は対照とする正常副腎の0.57個/1副腎より多く特発性アルドステ ロン症の副腎6.9個/1副腎より少なかった。本態性高血圧患者の副腎においては,正常副腎よりAPCCの数が多いことで血圧が上昇し,特発性アルドステロン症の副腎よりAPCCの数が少ないことでアルドステロン値が低い,という臨床的知見に合致する新知見を得た。これらのAPCCからDNAの抽出を試みたが,NGSにたえうる質の良いライブラリの作成が困難であった。検体(剖検症例)の質そのものが悪かった可能性が考えられた。
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