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2019 年度 実績報告書

クリミア・コンゴ出血熱ウイルスの細胞侵入機構の解明と治療標的の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19K21260
配分区分基金
研究機関長崎大学

研究代表者

櫻井 康晃  長崎大学, 感染症共同研究拠点, 助教 (00818338)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワードクリミア・コンゴ出血熱ウイルス / シュードウイルス / 細胞侵入過程 / 侵入阻害剤
研究実績の概要

本研究では、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)の細胞侵入過程に対する阻害剤の同定と、その作用機序の解明を目的としていた。2019年度は、CCHFV由来のシュードウイルスの効率的な作製方法の確立、及びCCHFV侵入阻害剤の同定と作用機序の解明を目標としていた。
まず、CCHFVの表面糖タンパク質のヒト細胞における発現効率を上げるためにコドン最適化を行った。更に、ウイルス粒子への取り込み効率を上げるために、その細胞質ドメインを欠損した変異型(ΔC10)を作製した。それらを用いた結果、水疱性口炎ウイルス(VSV)由来の粒子核とCCHFVの表面糖タンパク質を持つシュードウイルス(VSVΔG-CCHFV-G)の作製に成功した。特にΔC10を用いた場合には、バックグラウンドに対して感染シグナルが1000倍程度あり、かつZ-factorが0.7以上であった。従って、本研究で開発した系は大規模スクリーニングにも適用可能であることが示唆された。
次に、2018年度にハザラウイルス由来のシュードウイルスを用いて同定した感染阻害剤の効果を、上記のVSVΔG-CCHFV-Gを用いて確認したところ、同程度に感染を阻害することが分かった。特に、ClaramineはIC50値が1 uM程度であった。また、その既知の標的として宿主のPTP1Bが知られているが、他のPTP1B阻害剤はVSVΔG-CCHFV-Gの感染に対して特異的阻害作用を示さなかった。また、VSVΔG-CCHFV-Gの宿主細胞への曝露前にウイルス粒子をClaramineで前処理しても、感染効率の低下が認められなかった。従って、CCHFVの細胞侵入過程においてClaramineの標的は、PTP1Bでもウイルス粒子自体でもないことが示唆された。その作用機序については現在も引き続き解析を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] クリミア・コンゴ出血熱ウイルスの細胞侵入過程評価系の開発と侵入阻害剤の同定2020

    • 著者名/発表者名
      櫻井 康晃
    • 学会等名
      9th Negative Strand Virus-Japan
  • [学会発表] カルシウム活性化塩素チャネルTMEM16Aはエボラウイルス感染を制御する2019

    • 著者名/発表者名
      櫻井 康晃
    • 学会等名
      第67回日本ウイルス学会学術集会
  • [学会発表] エボラウイルス研究とBSL4施設2019

    • 著者名/発表者名
      櫻井 康晃
    • 学会等名
      東北大学セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 米国 Texas Biomed におけるエボラウイルス研究と長崎大学 BSL4 施設の設置準備状況2019

    • 著者名/発表者名
      櫻井 康晃
    • 学会等名
      第19回日本バイオセーフティ学会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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