研究課題/領域番号 |
19K21267
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武田 一也 東北大学, 大学病院, 助教 (80824177)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 食道癌 / 化学放射線療法 / マイクロRNA |
研究実績の概要 |
今年度は食道癌患者からの血清サンプルの収集を行った。当初の予定よりも患者集積が遅延しており、令和2年3月31日時点で、予定の12例中9例までの登録にとどまっており、補助事業期間の延長を申請した。 具体的には、以下の変化があった。まず本研究は当放射線治療科に入院して治療を行う患者を対象に血清サンプルを収集するものであるが、期間中に当病院における放射線治療科の病床数削減があり、放射線治療科に入院して治療を受ける患者数が減少し、これにより予定していたペースでの食道癌症例の登録継続が困難となった。また、令和2年3月頃から生じた新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、東北大学病院での診療全体が縮小を余儀なくされ、この関係で当放射線治療科への食道癌患者の紹介自体が減少しており、年度終盤での患者登録が困難であった。 上記事由により解析が始まっていないため、現時点で報告可能な研究成果は上がっていない。またこれをもとに行う予定である細胞実験についても、候補となるマイクロRNAの同定が済んでいないことから開始できていない。引き続き研究を継続していく。 またこの間、論文や学会報告などの情報の収集を継続した。食道癌治療およびその中における化学放射線療法の重要性については著変ない状態であり、また、血中マイクロRNAの解析については新規の報告が多数出ているものの、研究開始時と同様食道癌の放射線治療における当研究と同様の報告は見られず、本研究の継続の必要性・妥当性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病床数削減および新型コロナウイルス流行に関連した食道癌の放射線治療患者数の低下の影響を受け、当初の予定よりも患者集積が遅延した。令和2年3月31日時点で、予定の12例中9例までの登録にとどまっており、すでに補助事業期間の延長を申請している。令和2年9月頃に登録を完了してサンプルの解析に入り、治療感受性予測の候補となるマイクロRNAを同定することを予定しているが、新型コロナウイルス流行の状況によっては更に集積が遅延する可能性があると見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き登録症例の収集を継続していく。登録症例数の確保のため、食道外科とも連携して適応患者の当科入院での放射線治療を積極的に進め、研究への参加を依頼していく。もともと最小限度のサンプル数の設定としているため、登録症例数の変更は予定していない。 また、令和2年度後半に予定しているサンプルの解析にあたっては、短期間で確実に解析結果を得るため、同様の研究における実績のある外注機関の利用も検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前記の事由により症例登録が遅延しており、患者検体が予定数収集できておらず解析が開始していないため。
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