研究課題
研究目的は1. 非侵襲的な造影剤を用いないMRI 画像診断法の比較、分析 2. 上記診断方法の組み合わせ(Multiparametric)による正確な術前診断方法の確立1.について、①拡散強調画像 Diffusion Weighted-Imaging (DWI):mono-exponential modelを用いたapparent diffusion coefficient (ADC) が小児脳腫瘍のみならず、癌の評価に用いられてきたが、この指標は組織内微小灌流の情報が混入し、灌流と拡散を分けて評価できない問題点が指摘されていた。これを解決するためにbi-exponential model、stretched-exponential modelを小児脳腫瘍に応用した。②動脈血スピンラベル画像 Arterial Spin Labeling (ASL): 動脈血を磁気的にラベルし、非造影で脳血流量の評価が可能であり、応募者はASLが小児脳腫瘍の良悪性度判定に有用であることを明らかにした。③化学交換飽和移動画像 Chemical Exchange Saturation Transfer (CEST): CESTは、組織中のアミドやヒドロキシルなどの溶質とバルク水の間で生じるプロトンの化学交換にもとづく画像法である。このうちAmide Proton Transfer (APT) では組織中の可動性タンパク/ペプチドによるコントラストが得られる。APTイメージングを小児脳腫瘍に臨床応用し、2.のmultiparametric解析に用いた。2. 上記診断方法の組み合わせ(Multiparametric)による正確な術前診断方法の確立 上記組み合わせを比較し、stretched-DWIから算出される内部不均一性の指標であるαおよびASLから算出されるCBFが良悪性の鑑別に有用であることを、The ASNR 57th Annual Meeting & the Foundation of the ASNR Symposium 2019で報告、現在、論文執筆中である。
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