研究課題/領域番号 |
19K21277
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補助金の研究課題番号 |
18H06168 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
内海 大介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40551958)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 血管肉腫 / バイオインフォマティクス / 次世代シーケンサ / 免疫チェックポイント阻害剤 / SIRPα / CD47 |
研究成果の概要 |
琉球大学病院皮膚科学教室で経験した約100例の血管肉腫症例の中から、3年以上の長期生存患者5例および1年以下の短期生存患者4例の2群に分け、それらのFFPE検体から抽出したRNAを用い、トランスクリプトーム解析を行った。通常トランスクリプトーム解析では凍結検体由来RNAを用いるが、我々はFFPE検体も凍結検体の遺伝子発現プロファイルと非常に高い相関を示すことを明らかにし、比較解析に十分耐えうることを示した。免疫チェックポイントに関連する遺伝子群のうちマクロファージの貪食作用抑制に関与するSIRPαが長期生存患者群で統計学的に有意に低いことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
皮膚科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管肉腫は高齢者に好発する疾患であり、高齢化社会の進展と共に本邦でも患者数が増加している。一方で全悪性腫瘍の0.01%程の希少な悪性腫瘍であるため、大規模な臨床試験が行われておらず、エビデンスレベルの高い治療方法は限られているのが現状である。今回の研究により、短期および長期生存患者腫瘍の群間に、免疫チェックポイントに関連する遺伝子群のうちSIRPα発現に統計学的に優位な差があることを見出した。血管肉腫の病態におけるSIRPαの役割を更に検討することで、今後増加が予測される頭部血管肉腫に対する免疫チェックポイント阻害剤などの分子標的薬を含む新たな治療法導入の足がかりとなる可能性がある。
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