ヒト大腸癌細胞株(COLO201、COLO320DM、DLD-1、HCT116、LS180、SW620)のGPR15の発現をWestern blottingで評価し、GPR15高発現、低発現細胞株を同定した。同定したGPR15高発現、低発現ヒト大腸癌細胞株にリコンビナントトロンボモジュリン(rTM)を投与し、rTMの細胞増殖抑制効果をMTT assayで評価したところ、GPR15を高発現するヒト大腸癌細胞株COLO201においてrTMの濃度依存的な細胞増殖抑制効果を認めた。また、既知のGPR15高発現ヒト膵臓癌細胞株PATC66を用いて、GPR15の高発現をWestern blotting、rTMの細胞増殖抑制効果をMTT assayを用いて再確認した。また、rTMの抗癌剤であるナブパクリタキセル増強効果をMTT assayで評価した。今後はrTMのヒト大腸癌細胞株の細胞増殖抑制効果がGPR15依存的な現象であることを証明するためGPR15のノックダウン実験を行い、細胞内シグナルであるNF-kB、ERKを評価するためWestern blottinging、そしてin vivoでの抗腫瘍効果の評価を行うためヌードマウスを用いた皮下担癌マウスを作成し、rTMを腹腔内投与し、腫瘍径の経時的な変化を評価する。また、既存の抗癌剤との併用療法の評価に加え、難治性の他消化器癌である胃癌、肝癌、胆嚢癌でも同様な実験を行う。
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