研究課題
本研究では我々が開発した新規プラチナ製剤を用い,シスプラチン耐性骨肉腫細胞株に対する新規プラチナ製剤の耐性克服機序を明らかとすること.そしてより臨床に近い環境でシスプラチン耐性克服の可能性を検討するために患者由来腫瘍組織同所移植(PDOX)モデルマウスに対する新規プラチナ製剤の抗腫瘍効果について検討する事でを計画した.昨年度までに薬剤耐性骨肉腫細胞株に対する新規プラチナ製剤の有効な治療効果を明らかとしており,本年度はシスプラチン耐性骨肉腫患者由来腫瘍組織同所移植(PDOX)モデルマウスの作成を行い研究を進めた.シスプラチン耐性骨肉腫患者から同意を得た上で患者の治療のために行われる転移巣の切除術の際に得られた検体の一部(10mm大)を用い,腫瘍片を分割し麻酔下でマウスの皮下4か所に腫瘍片を移植しF1マウスを作成する.4~6週程度後にマウスの皮下腫瘍が生着し15mm程度に増殖した段階で麻酔下に腫瘍を回収する.再度腫瘍片に分割し,麻酔下にマウスの右膝に10mm大の皮切を置き,大腿骨外顆を切除.切除した外顆スペースに腫瘍片を留置しPDOXモデルマウス(F2)を作成した.PDOX モデルマウスに対し加療を行った.コントロール群は生理食塩水の腹腔内投与,シスプラチン治療群はシスプラチン6mg/kg/週の腹腔内投与,新規プラチナ製剤治療群は3Pt41.1mg/kg/週の腹腔内投与を行い1 週間に2 回の腫瘍サイズ測定(デジタルキャリパーで長径,短径の測定),体重測定を行った.シスプラチン治療群は非治療群と比較し腫瘍サイズに有意差を認めなかったが3Pt投与群は有意に腫瘍サイズが小さかった.
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