研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、過酸化チタンナノ粒子と薬剤溶出性ビーズを用いて、そのドラッグデリバリーシステム(DDS)や放射線増感効果を中心に検討した。Cell-free系では、薬剤溶出性ビーズへのチタンナノ粒子の吸着が確認できた。Xenograft腫瘍では過酸化チタンナノ粒子単独と比較して、薬剤溶出性ビーズを用いることで、薬剤投与から照射まで3日間の間隔を設た場合にも腫瘍増殖抑制効果が得られた。これらの結果は過酸化チタンナノ粒子が薬剤溶出性ビーズから徐放されることで、抗腫瘍効果が長く維持される事が考えられた。
放射線治療
過酸化チタンナノ粒子はROSの産生を介して強力な放射線増感効果を持ち、難治癌に対する治療戦略の中で有望な候補物質である一方で腫瘍への集積に問題があった。本研究において薬剤溶出性ビーズを併用することで投与局所に残存する過酸化チタンナノ粒子が増加し、より長期間の放射線増感効果が得られることが示唆された。通常、放射線治療は長期間を要するため、併用療法が有用となる可能性が示唆された。