研究課題/領域番号 |
19K21291
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
濱元 宏喜 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60825818)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | DLL3 / 大腸癌 / 免疫染色 / アポトーシス / 内分泌細胞 |
研究実績の概要 |
本研究ではThe Cancer Genomic Atlas (TCGA) において、大腸癌組織のDLL3発現が正常粘膜と比較して1.74倍発現増強すること、また強発現症例が認められることから着想を得て、大腸癌におけるDLL3の発現および機能解析を行うことを目的としている。そのため、まずは大腸癌切除標本40例を用いてDLL3免疫染色を行ったが、想定していた強発現が認められず、当初予定していた強発現症例と病理学的特徴との関連性を見出すに至っていない。今後は症例数をこれまでの40例からさらに増やす予定である。また、並行して、大腸癌細胞株(SE480)におけるDLL3とアポトーシスとの関連の検討の研究にも着手する予定である。 また、同時に消化管におけるDLL3発現の局在について、大学院生の研究に協力し、粘膜下層の細胞質に主に存在していること、またその局在が内分泌細胞のマーカーであるクロモグラニンAと似ていることを見出した。そのことを確認するため、正常の胃粘膜、十二指腸粘膜を用いて蛍光二重染色法を行うと、クロモグラニンA陽性細胞でDLL3も発現していることが確認された。この結果は、内分泌細胞とDLL3との関連を示唆するものである。クロモグラニンA陽性の胃癌切除検体4例と混合型腺神経内分泌癌検体2例でDLL3免疫染色を行うとクロモグラニンA陽性細胞でDLL3陽性であることが確認できた。今後、内分泌細胞癌細胞株(ECC4,ECC10,ECC12)を用いて、DLL3の機能解析もすすめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大腸癌組織には強発現症例が認められることを想定して、大腸癌切除標本を用いてDLL3免疫染色を行ったが、想定していた強発現が認められないため。
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今後の研究の推進方策 |
大腸癌切除標本を用いた免疫染色では、想定した強発現症例が認められていないため、症例数をこれまでの40例からさらに増やす予定である。また、並行して、 大腸癌細胞株におけるDLL3とアポトーシスとの関連の検討の研究にも着手する予定である。具体的には大腸癌細胞株SW480を用いて、DLL3ノックダウンを行い (siRNAは2種類作成済み)、カスパーゼ活性の変化をウエスタンブロット、フローサイトメトリー、TUNEL染色で確認する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
大腸癌組織には強発現症例が認められることを想定して、大腸癌切除標本を用いてDLL3免疫染色を行ったが、想定していた強発現が認められず、研究計画が遅れており、追加で免疫染色を行う必要がある。また、今後、細胞株を用いたアポトーシスとの関係性を検討するため、その試薬などに使用予定である。
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